メトロポリタン オペラ バレエ

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メトロポリタンオペラハウス。通称メット(”The Met”)。正面の5つのアーチが特徴的なこのオペラハウスでは、毎年5月~7月はアメリカン・バレエ・シアター(American Ballet Theater)のバレエ、そして9月~翌年5月にはオペラが上演される。いずれも世界でも超一流の歌手やダンサーが集う劇場である。ニューヨークのアッパーウェスト・エリアの9番街と10番街の間、62丁目~65丁目の大きな一角を占めるリンカーンセンター。ここに数ある劇場の中で最も大きなこのオペラハウスは、着席3800人、立ち見席も含めるとほぼ4000人という世界最大規模のオペラハウスだ。ミラノのスカラ座(収容人数約2000人)、パリのオペラ・ガルニエ(同約2000人)やオペラ・バスティーユ(同2700人)、ウィーン国立オペラハウス(同約1700人)、ロンドンの王立オペラハウス(同2300人)、どれと比べてもその大きさは圧倒的だ。大きさが直接的に重要なわけではないのだが、この基盤がメトロポリタンオペラハウスの数々のレパートリーや毎シーズン安定した上演数を支えている。ちなみに、東京の初台にある新国立劇場オペラハウスの収容人数は1700人。ニューヨークで上演されるオペラやバレエなどのパフォーミング・アーツの多くがこのリンカーンセンターに集約されたのは1960年代半ば。ニューヨークのオペラハウス自体は1883年に今のタイムズスクエアの近く、ブロードウェイの39丁目と40丁目の間に建設された。これが1966年にリンカーンセンターに移転したのである。今では、オペラやバレエ、オーケストラはリンカーンセンターとカーネギーホール、ミュージカルはブロードウェイで行われることが多い。日本の宝塚の来米公演がリンカーンセンターで、歌舞伎・能・狂言がカーネギーホールで催されたりしている。メットでは毎年25種類以上の演目を世界のトップクラスのオペラ歌手が演じている。これをハード面で支えるのがメットの舞台装置。正面舞台の上手・下手(=向かって右・左)と奥に、それぞれ舞台と全く同サイズのスペースがある。これらが前後左右にスライドし、舞台セットを入れ替えることができる。大道具・小道具、衣装などはほとんどすべてがこのオペラハウスの裏手の建物で制作されている自己完結型だ。このメットの豪華舞台セットは圧巻で、これを楽しむならアイーダやトゥーランドット。そのインパクトはすごく、セットが出てきた瞬間に客席から拍手が巻き起こるほど。  ちょっと特別な感じがして敷居が高いと感じがちなオペラだが、全然そんなことはない。音楽や演劇が好きならオペラも絶対楽しめる。ドラマやCMでお馴染みの曲がたくさんあり、それを生で聴くだけでも楽しい。お値段は、高い席は高いがリーズナブルに観るなら席は30ドル(約3500円)程度からある。また、オペラはほとんどがイタリア語かドイツ語で上演されるが、メットの場合は全席に字幕(英語)表示装置があるので安心。まぁ実際のところ、言葉がわからなくても事前にあらすじの予習さえしていけば楽しめる。それくらい歌や音楽、衣装やセットなどの舞台美術の迫力がすばらしい。変に厳しいマナーもない。行って、観て、聴いて楽しむだけ。ドレスコードもシャツにスラックス、ジャケットでも着ていけば十分。ネクタイなんて締めなくてOK。(筆者はせっかく行くならお洒落を楽しんだ方がお得だと思うものの、それは好みの問題) 席はザックリ以下の6カテゴリーに分かれている。基本的にはフロアが違うことで見え方や聞こえ方が違い、そして当然お値段が違う。一番下のフロアから、オーケストラ(”Orchestra”)、パルテレ(”Parterre”)、グランド・ティア(”Grand Tier”)、ドレス・サークル(”Dress Circle”)、バルコニー(”Balcony”)、ファミリー・サークル(”Family Circle”)。 シートマップは以下の通り。(色の違いは値段の違い)以下、6つの席カテゴリーについてそれぞれ筆者なりに解説していきたい。1階の席。前の方は舞台で歌う歌手の表情まで肉眼でよく見える。前の方なら臨場感は全席で一番良い。演奏するオーケストラはこのフロアよりも一段低いオーケストラピットで演奏するから、邪魔になって舞台が見えないということはない。ただし、最前列またはそれに近い最前方の席だと指揮者が視界に入る可能性あり。好みにもよるが、オーケストラ席の持ち味である舞台への近さ・迫力を堪能できるので、筆者的には5列目~10列目くらいの中央辺りがおすすめ。両端は舞台の両袖(特に手前サイドの奥)が見切れてしまうので注意。(これはどのフロアでも一緒)チケットの値段は150~300ドルくらい。 2階席。舞台とほぼ同じ高さか若干高いくらいの高低感。舞台がよく見え、かつ最もプライベート感が高く、そしてチケットの値段が一番高い席。8人ずつの席がひと区画(=ボックス)になっており、廊下には各ボックス毎に専用の扉がある。これはオートロックで施錠されており、中に入るには劇場の係の人に開けてもらう必要がある。中にはコートラックや荷物を置けるソファが置いてあるスペースがあるので、コートや荷物をクロークに預けずに自分のボックスに置いてゆっくり鑑賞できる。鑑賞後も混んでいるクロークに行く必要もなく、スムーズに帰路に着ける。しかし、至れり尽くせりな分値段が高い。演目にもよるがだいたい350~500ドルくらい。 3階席。舞台を若干見下ろす高さ。舞台が良く見えるが、俯瞰できるほど高くはない。見え方のバランスが最も良く、メットのカメラはこのフロアの正面に据え付けられている。お値段は200~350ドルとパルテレよりも安い。ちなみにこのフロアにはグランド・ティア・レストラン(Grand Tier Restaurant)というそのままのネーミングのレストランがある。このレストランがまた素敵。(そのうち記事にしたい) 4階席。舞台を見下ろす席。舞台もよく見え、歌声と音楽の聞こえ方も偏りなく、お値段も高すぎない、筆者が最もコストパフォーマンスがいいと思う席。お値段は150~250ドル。だいたいこのドレス・サークルと次に説明するバルコニーのいい席からチケットがなくなっていく。 5階席。舞台を見下ろす感じはさらに強くなり、舞台との距離は感じるが舞台が俯瞰的に見える。そして何より音響がいい。歌声とオーケストラの音楽の調和が素晴らしい。バックステージ・ツアーでガイドのおじさんも言っていたが、メットで一番音響がいいのはバルコニーなんだそうな。お値段は100~200ドルとよりリーズナブルになってくる。しかしそれとともにまわりの観客のマナーも徐々に悪くなっていくのが悩ましいところ。 フロアはバルコニーと同じ5階だが、バルコニーは前方でファミリー・サークルは後方の最も高い場所に位置する。完全に舞台を見下ろす席で、舞台後方は(立体的なセットでは上方も)見切れてしまうこともある。また、メットは天井に空調システムがあり、ファミリー・サークルは最も天井に近いので、席によってはその作動音が耳につく。けれどもその分お値段は25~75ドルと最もリーズナブル。気楽に鑑賞できる反面、観客のマナーはイマイチな場合が多い。話し声が聞こえたりケータイが鳴ったりする。本当に。それでもこの値段で世界の一流オペラ歌手、オーケストラの演奏を聴けるというのは相当な魅力。 ドレスコードは正式に定められたものはないが、グランド・ティアよりも下のフロア(グランド・ティア/パルテレ/オーケストラ)の席では、きれい目な格好の人が多い。バルコニーやファミリー・サークルは結構カジュアルで、特に昼間の公演ではデニムも見かけたりはするものの、ビジネスカジュアル程度のきれい目な格好をしていった方が周りの目を気にせず楽しめると思う。普段の公演では、男性はビジネスカジュアル(シャツにスラックス、上はジャケット)が多いがシャツにセーターという人もいる。タキシードも稀にいるがTシャツはほとんど見ない。女性はきれい目カジュアルからドレスまでいろいろ。ワンピースが多い印象。特殊なのは各演目の公演初日(「シーズン・プレミア(”Season Premiere”)」と呼ばれる)。この日は、男性はタキシード率が激増し、そうでなくてもスーツにネクタイという格好の人がかなり多くなる。女性は豪華なイヴニングドレスの人もいる。ここでもワンピースであれば問題ない。筆者としては、せっかくお洒落をして出かける機会なのだから、普段はなかなかしないお洒落な格好で行った方がよりこの特別な空間を楽しめると思う。特に公演初日にカップルで、タキシード&ドレスでオペラを観に行くのも非日常的で楽しい。 ちなみに、グランド・ティアにあるレストラン、「グランド・ティア・レストラン」がすごく良くて、筆者と妻まるこのお気に入り。夕方ここで食事をして、オペラを観て帰るというのがとっても贅沢なコース。レストランを予約していると、夕方早い時間からオペラハウスに入れる。例えば、18時の予約でレストランに入り、19時半頃まで食事、トイレなどに行って席に着きオペラを鑑賞。そして幕間にレストランに戻ってデザートとコーヒーを頂くというのが最もゆっくりできるコースだろう。そう、食事の最後のデザートを(開演前ではなく)幕間に出してくれるサービスがあるのだ。追加料金がかかるわけでもない普通のサービス。テーブルももちろん同じテーブルが予約済なので、幕間に普通に元いたテーブルに座るだけ。幕間に混んでいるバーで長蛇の列に並んでシャンパンを飲むのは、調達するのも大変だし、立ったままだし、その後ゆっくりトイレによる余裕もなかったりする。幕間に羽を伸ばす場所を確実にキープできるところが最高。料理も美味しくてサービスもスマートだし、お値段もマンハッタンによくある割高感はない。お洒落をしてレストランで食事、オペラを観て、運転手付きの車を呼んで帰る。なーんか優雅でクールじゃないですか。まぁ呼ぶ車はウーバーですけど笑それでも非日常な特別な夜。筆者はこういうの好きです。すごく。 ちなみに、ミーハーな筆者の独断と偏見に基づくおすすめの演目は、広く一般に知られた曲がたくさん出てくる『カルメン(Carmen)』、『椿姫(La Traviata)』、それから有名なアリアが出てくる『蝶々夫人(Madame Butterfly)』、日本のサッカーでよく流れる凱旋行進曲(Triumphal March)が流れ、セットも豪華な『アイーダ(Aida)』、そしてフィギュアスケートでもよく使われる有名なアリアがあり、セットも豪華な『トゥーランドット(Turandot)』あたり。特にメットで観るなら『トゥーランドット』、『アイーダ』、『カルメン』がおすすめ。この3演目はセットがすごい。筆者が個人的に好きなのは『椿姫』、『ルサルカ(Rusalka)』、『蝶々夫人』、そして『ノルマ(Norma)』。どれも歌が素敵。 さて、何回かオペラを観ていると、その舞台裏が気になってきたりします。そんなときはメットの舞台裏を見られるツアー(=バックステージツアー)も面白い。タイミングによってはリハーサルに遭遇することもあるとか。筆者が訪れたときは特別なイベントはなかったものの、舞台、楽屋(この時はRomeo&Julietteのソプラノとテノール、ディアナ・ダムロウとヴィットーリオ・グリゴーロの楽屋)、大道具工房、衣装工房、リハーサルルームなど、メットの舞台裏を隅々まで案内してくれた。舞台には左右両袖とに舞台と同じサイズのスペースがあり、他の演目のセットが置いてある。これがメットが1シーズンに20以上もの演目を毎日とっかえひっかえ上演できる秘密なのだ。そして地下にも同サイズのスペースがあるというのだから本当に広大な設備である。筆者が参加したときはちょうどルサルカ(Rusalka)とリゴレット(Rigoletto)のセットを間近で見ることができた。大きくてすごい迫力ですよ。そして後日その演目を見ると、「あ、あれはあそこに置いてあった木だ!」となるわけです。お値段は25ドル。まぁそんなもんでしょう。安くもないし、高くもない。(写真は「撮ってもいいけどネットで上げるのはNG」とのことだったので、ツアーの写真はなしです。) メットでは毎年3月に北米(アメリカ&カナダ)のオーディションを勝ち抜いたオペラ歌手の卵を集めてその中から何名かのファイナリストを選出するイベント”National Council Auditions Grand Finals Concert”をやっている。これが面白い。値段もリーズナブル。2016-2017シーズンは23人で行われた準決勝から9人が決勝進出。この9人がそれぞれ自分で選んだアリアを2曲ずつメットの舞台で歌い、審査員がファイナリストを選ぶという仕組み。筆者と妻は2人でああでもないこうでもない、自分が選ぶならこの人とあの人と・・なんてやっていた。が・・・2人が見初めた候補者たちは軒並み落選。。まぁそんなレベルでも十分楽しめる世界だということ。笑 オペラ座ファンなら見逃せない、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の公演が、新型コロナウィルスで世界中が大変な状況になっている今、期間限定で無料公開されています!3月16日から開始されているこの試み!毎日異なる演目を楽しむことが出来るレアな機会です!

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