ブッダ 面白い 話

Posted

【ホンシェルジュ】 『火の鳥』と並び、手塚漫画の最高峰と謳われる本作。連載誌の名が2回も変わるほど長期に渡って描かれた大河作品です。タイトルのとおり仏陀(ブッダ)――釈迦の生涯を描いた作品ですが、ただそれだけのものではありません。 『火の鳥』と並び、手塚漫画の最高峰と謳われる本作。連載誌の名が2回も変わるほど長期に渡って描かれた大河作品です。タイトルのとおり仏陀(ブッダ)――釈迦の生涯を描いた作品ですが、ただそれだけのものではありません。そこには、本作ならではのさまざまな魅力が詰まっているのです。約2500年前、紀元前のネパール。インドとの国境近くのカピラヴァストウに、シッダルタと名づけられた赤子が生まれました。その子が生まれる以前から吉兆があり、ただ者ではないことは父王スッドーダナにもわかっていたのです。母マーヤはシッダルタを産んで間もなく亡くなってしまいましたが、養母パジャーパティに育てられ、シッダルタは聡明な青年に成長します。そんななかで、彼は当時の身分制度(カースト)に疑問を持つようになっていくのです。同じ人間なのに、なぜ認められることと、認められないことがあるのか。また、なぜ人は苦しむのか、なぜ死ぬのか……そのような疑問を常に抱きながら成長し、29歳で彼は出家します。僧として修行を重ね、やがて悟りを開いて「ブッダ(目覚めた人)」となるのです。本作は、シッダルタがブッダとなり、教えを説く旅の果てに、沙羅双樹の下で入滅(死没)するまでを描いています。しかしストーリーは、ただ仏教の祖としてのブッダの生涯を辿るだけではありません。「人はどのように生きるべきか」という仏教のテーマをさらに大きく広げ、作者・手塚治虫の哲学と融合したかたちで語られていくのです。ストーリーの中心にはブッダだけでなく、多くの人が登場し、なかには実際の歴史上には存在しない人物もいます。そういった人物たちの人生をそれぞれに克明に描き、それらが収束して、ブッダの最期へと繋がっていくのです。読者がブッダの生涯をとおして、人の存在について、生命の尊さについて、思索を得られる一大叙事詩となっています。『ブッダ』には、後にブッダとなるシッダルタ以外にも、重要な人物が何人も登場します。ここでは、ストーリーの中心となる人物たちについてご紹介しましょう。主人公。カピラヴァストウのクシャトリヤ(王族)の子として生まれながら出家して僧となり、それまで存在した僧侶(バラモン)とは異なる思想で修行。悟りを得て「ブッダ(目覚めた人)」と呼ばれるようになります。 本作最序盤、シッダルタが生まれる以前のストーリーの主人公的存在です。アシタ聖者の弟子の、バラモン(僧侶)。アシタ聖者の命で「神になるべき人」を探す旅に出て、途上でタッタとチャプラ、チャプラの母と出会いました。コーサラの勇士となった後に瀕死の重傷を負ったチャプラを助けるため、罪なき動物たちの生命をいくつも奪ったとして、アシタ聖者によって畜生道に落とされてしまいます。 キーワード・タグ ゴータマ・シッタルーダの像には立像・坐像・涅槃像の3種類に分けられるとされています。立像の姿は悟りを開く前の修行の姿とされ、対して坐像は修行して悟りを開かんとしている時の姿であるそうです。そして涅槃像はゴータマが亡くなる姿です。涅槃像は右手を枕、あるいは頭を支える姿で、頭は北向き、顔は西向きとされています。このような姿で生涯を閉じるその前後の話となるのが、この大パリニッバーナ経で、旅の途中で亡くなるまでの経緯が克明に記録されています。この本はストーリーのある旅行記とも言うべきもので、ドラマチックな結末が待っています。旅の途中で死を悟ったゴータマは「愛しく気に入っているすべての人々とも、やがては、生別し、死別し、(死後には生存の場所を)異にするに至る」と弟子に語り、弟子を集めさせて最後の説法を行うのでした。この経の変遷の歴史を丁寧に解き明かし、ゴータマの肉声に少しでも近づけるよう、訳者である中村元氏が詳細な注釈をつけている点もおすすめするポイントです。「スッタニパータ」とは仏教においては最古のもので、ゴータマ・シッタルーダが説いたことを集めて編まれた聖典です。初期の仏教を知るうえでは貴重な聖典を、インド思想・仏教学の世界的権威である中村元氏が翻訳しました。平易な文体で、入門書としても適していると言えるでしょう。シンプルさを紹介するために、一部抜粋します。(『ブッダのことば―スッタニパータ』より引用)いかがでしょうか。難しい思想ではなく、現代で言えば生活者目線での教えです。仏教というと生死に関する覚悟や戒めのようなイメージが先行していましがちですが、ご覧のような心を落ち着かせるような教えばかりでした。素直に心を傾けて読むことで、癒しの効果もあるかと思います。本書は『法句経』の名で知られる「真理のことば(ダンマパダ)」と「感興のことば(ウダーナヴァルガ)」を訳したものです。「真理のことば」(ダンマパダ)はスッタニパータとならび現存経典のうち最古の経典して伝わってきました。「ウダーナヴァルガ」とは、ブッダが感興をおぼえた時、ふと口にした言葉集の意味だそうです。仏教の教えを短く詩句で、韻文のように口になじむようなリズムがあります。分派した仏教の一派である上座部では「法句経」は最高の仏教聖典とされています。ビルマやスリランカでは、仏教の教えといえば、この「法句経」です。はじめから詩句の形をとっていたため、手を入れられることなく伝わってきたと言われています。それゆえ、肉声に最も近いと考えられているのです。簡潔でシンプルな短い文で、お経ではないようにも思えてしまいます。繰り返して「物事にとらわれるな、執着を断て」ということが説かれています。本書は武者小路実篤の手による釈迦の伝記小説です。実篤は白樺派の作家として知られています。階級闘争のない調和社会を理想として、「新しき村」の建設に力を注いだころは、農作業をしながら文筆活動をしていた時期がありました。『釈迦』を書いた時期は仕事の依頼が途絶えていた時期で、トルストイや井原西鶴、一休などの伝記も書いています。わかりやすい文章で、釈迦がどのような生涯を送ったかを知るには十分な内容です。よく知られている仏教の説話が物語として描かれており、仏教の教えを改めて知ることがでるかと思います。釈迦の生涯と仏教をざっくり知りたい人には、適している本です。本書は、作家から出家し、天台宗の住職である瀬戸内寂聴が2002年に発表した作品です。僧侶らしからぬ自由で奔放な活躍ぶりで、衰えを知らぬ多彩な活躍ぶりをしている異色な作家が書いた釈迦はどのような内容でしょうか。80歳となった釈迦が、従者のアーナンダーを伴って旅にでるところから、この小説は始まります。この度は釈迦にとって最後の旅でしたが、旅のそのものの話ではなく、生誕時から出家、彼に従って出家したり帰依したりした人々のことが回想されます。アーナンダーや釈迦、釈迦の妻ヤソーダラーなどがそれぞれの目線から、よく知られている仏教説話が語られる形ではありますが、著者の解釈や思いによる加工がなされているところが特長であると言えるでしょう。普通の生き方をしてきた女性では持ちえないのではないかと思うような、この著者ならではセンスがひと際目立つ作品です。 「王となるべき人」「神となるべき人」などと周囲からは神聖視されますが、彼自身はいつも悩み、苦しんでいる1人の人間に過ぎませんでした。本作には、その姿が描かれています。身分制度の最下層であるスードラ(奴隷)よりも、さらに下の身分とされるバリア(不可触民)の子。架空の人物です。幼い頃、コーサラ国の兵士によって家族を村ごと焼かれ、親友であるスードラの子チャプラの母を、もう1人の母と慕っていました。しかし彼女もまた、コーサラ国によって生命を奪われたことから、コーサラ国をひどく憎んでいます。成長後、カピラヴァストウにいるシッダルタを城の外に連れ出して、外の世界を見せて回り、そのことがシッダルタの世界観に大きな影響を与えました。その後、盗賊となりますが、シッダルタとの再会により足を洗い、ダイバダッタの口添えでマガタ国の兵士となります。マガタ国はコーサラ国と敵対する国です。 チャプラや、タッタや、ナラダッタは架空の人物ですが、彼らが実在の人物や出来事と関わるストーリー、また、そのことから新たに生まれるストーリーが丁寧に描かれます。細い川が集まって大きな河となり遙かに流れていくように、いくつものストーリーがやがてブッダの人生という大きなストーリーへと収斂されていくという、まさに大河ロマンとして本作は構成されているのです。子供に夢を与える希望の物語を、手塚治虫は数多く描き残しています。それはファンタジーと呼ぶべきもので、『鉄腕アトム』や『リボンの騎士』などはその最たるものでしょう。他方『火の鳥』や本作のように、漫画の世界でありながら、人間の暗部を描く作品も多く残しているのです。 「悟りを開いた」だとか「目覚めた」という境地に辿りつく過程を経て尊い存在となっても、彼は常に自問と苦悩をくり返す、いかにも人間らしいキャラクターなのです。人を救うのは奇跡でも信仰でもなく、知恵を説き実行することだということ、しかし人は迷うものであるということが、本作には描かれています。先の項では「架空の人物が登場する」、「フィクションも混じっている」と史実や経典に書かれている以外のことを強調するような内容をご紹介しましたが、もちろん史実・経典に忠実な部分も『ブッダ』にはあります。 タッタを利用して王座まで狙い、その果てにミゲーラに毒を飲ませることまでしますが、ブッダがミゲーラを救うさまを見てブッダに弟子入りしました。彼のために教団をつくり、世界中に教えを広めようと決意しますが、そこでも自分が1番でありたいという気持ちが強く、後継者として選ばれなかったことからブッダを憎み、殺害しようと企むようになります。前の項で、登場人物の紹介をご覧になってすでにおわかりのことと思いますが、架空の人物がたくさん登場して、ストーリーの幹の部分に関わっています。これは『ブッダ』という作品が、歴史上のできごとや仏教の経典を、そのまま漫画化しただけのものではないことを物語っているのです。

サウンドオブサイレンス 楽譜 無料, 京都 2400m タイム, マイクラ ゾンビトラップ 湧かない, 東 広島 市 狩猟, 黒い砂漠 Pc ダウンロード 長い, 魂焔の龍弩 炎妃 カスタマイズ, マスク 食品衛生法 輸入, オリンピック ボクシング チケット 倍率, パッチギ ロケ地 橋, 富士スピードウェイ オリンピック 閉鎖, チワワ ブリーダー 安い, レイ ビームス 仙台, この星に生まれて 作詞 作曲, 鶴橋 定期券売り場 近鉄, CIDP 初期症状 ブログ, マイクラ 火をつける コマンド, ポケモン クエスト 強い ポケモンの 作り方, 三浦 大 知 クォーター, 偽性 腸閉塞 横浜 市立 大学, ランナ ウェイ 8話, KSC AK74M GBB レビュー, バス 学割 定期,